iwapenの日記

60歳にして考古学を学びに大学に入りました。また、社会や政治についても思いの丈を発信してます。

8月15日 敗戦の日に。

世界卓球連盟は、90年前の創立以来、憲章に国旗国歌は使わないと明記。その為に、卓球は、1988年ソウル五輪で初めて正式種目となった。ここまで五輪への参加を見送ってきたのは、五輪が国家と国家の競争という性格を持っているから。しかし、卓球を広げる為には五輪参加は不可欠。そこで、残念ながら世界卓球連盟は、五輪参加のために輝かしい国旗国歌を使わないという憲章を変えてしまった。
しかし、日本の、否、世界のミスター卓球と言われた荻村伊智朗は言った。
卓球は、空間と時間と回転の芸術だと。そして、さらにバイオリンの国際コンクンールなどに国旗や国歌は使われない。スポーツも国家を超えた芸術になるべきだ、と。

また、あまり知られていないが、荻村は世界卓球連盟会長として、1991年春、千葉の幕張で開かれた世界卓球選手権大会に「統一コリア」チームの参加を実現させた。この時、荻村は韓国に20回、北朝鮮に15回も足を運んだと言われる。
これも、国家を乗り越えるという荻村の理想への情熱がなさしめたことだろう。
そして、荻村のように国家間のわだかまりを超え、平和的友好的な関係構築を図るという営みは、戦争を放棄した日本国が世界の中で果たすべき務めでもある。

これに対し、戦争になったらどうする、攻めてきたらどうするという短絡的思考で国防軍の創設や、軍事費の拡大や、米軍とのさらなる連携などを主張し、果ては、憲法9条を改悪せんとする輩は、この荻村伊智朗のような平和外交こそ、日本の最大の防衛なのだということが分かっていない!
否、そういう輩は、戦前国家権力者と同じく、分かりたくない、戦争がしたいのだろう。

今日、8月15日。
侵略戦争に走り、和平交渉の道も遮断し、玉砕・特攻・飢餓行進・空襲・沖縄戦、そして原爆と、膨大な戦死者と国土の荒廃に至るまで徹底抗戦路線に走って国家壊滅的敗戦を齎した、"戦前国家権力者達による敗戦の日"に思うこと。