田名向原遺跡 神奈川厚木
台風がドンドン近づき、風雨が激しくなる中、今日は、全国でも珍しい先史時代の住居跡が見つかった田名向原遺跡に向かった。
立派な学習館があり入館するや、元気な気の良さそうなおばさんが、説明しましょうかと声をかけてくれた。おかげで館内のパネルを読まなくても、全部の展示物の意味や意義が分かった。
先史時代の建物跡が見つかったのは始めてのことで、しかも直径8メートルほどの大きな空間に、中央には炉が2つ。12本の柱の跡。そして、その住居跡の周りには直径約10mのサークル状に河原石が並べられ、外界との結界を構成。
さらに、この家屋の中のあちこちから200点を超える黒曜石の尖頭器が続々と出土。まだ砕いていない塊も。この住居跡に住める人数では、はるかに多すぎる数。きっと、他の地域の人との交易品として尖頭器を作る工房だったかも。しかも、使われた黒曜石は、昨年見学して来た和田山峠や鷹山など直線にしても100kmを超える遠方で取れるもの。
この遺跡を見学して、2万年前の先史時代から、既に定住に向けた変化が始まっていたこと。そして、広範囲な交易とその為の工芸品作りもしていたことが分かった。たまたま立ち寄った遺跡だが、すごく感動した。