iwapenの日記

60歳にして考古学を学びに大学に入りました。また、社会や政治についても思いの丈を発信してます。

軍隊的規律と暴力

「教育現場が軍隊になった」

その通りです。

学校は、相変わらず、組織優先、言い換えれば軍隊的規律を温存してます。

例えば運動会。なぜ、一糸乱れぬ入場行進なんてするんでしょうね。あれ、軍隊しかしませんよね。しかも、全校生徒の足並みが揃ってないと、先生方から叱責が飛びます。笑ってたり喋ってると怒声も飛びます。

組体操も、命や障害のリスクがあるのに未だに無くなりません。これも、痛みに耐えて、仲間と1つになるという、肉弾戦を彷彿とさせる思想の現れです。何故か、北朝鮮もよくやってますよね。

駅伝競走で強豪校が負けると、何故か、地域の自治連会長に、申し訳ありませんでした!と子どもたちが謝罪する、そんな指導をする担任や校長も未だにいます。

もはや、教育の枠を超えた、地域がらみの組織の論理が支配しています。

学校も、大昔に比べ随分新しくなりました。でも、学校は未だに軍隊的規律を内包してます。「学校が軍隊になる」とは、軍隊もどきの行事や取り組みをやってるということだけではありません。死に直面する軍隊が欲する鉄の規律、つまりは上の者への絶対服従、つまり憲法が保障する個人の尊厳とは真逆の個人の圧殺という、その論理が働いているということです。

 


そして、この論理が最も徹底しているのが、体育会系の部活動です。ここでは、小学生ですら、コーチに絶対服従を叩き込まれます。自由に楽しむ部活動だけが、緩くやってます。強い部活動は必ずコーチに絶対服従です。その延長で暴力、イジメが蔓延ります。

多くのスポーツ選手は、小学校以来の、この絶対服従の指導で育ってきてます。宮川選手もそうなんでしょう。絶対服従の中では、暴力指導も容認されるのは当然。それに異議を唱える選手は排除されますから。また、絶対服従でコーチの指導通りやる子は、当然、かなり伸びます。コーチも無能でない限り素直な子にキチンと教えますから。暴力容認で伸びてきた子は、今度、指導する側に立つとまた暴力指導をします。そのやり方しか知りませんから。この悪の連鎖が日本のスポーツ界に蔓延っているわけです。

 


でも、この軍隊的絶対服従と暴力指導は、スポーツ界だけではありません。何故なら、スポーツで鍛えた子の殆どは、大人になって企業就職します。その体育会系人材が、企業にとっても好都合なので、スポーツやってる子は優先的に採用されます。何故なら、上司のどんな理不尽な命令でも、はい分かりました!と答えてくれるからです。さらに、上司がイラつきから暴力を振るっても、それはかつて自分を伸ばしてくれた指導だと思って、ありがたく受け止めるからです。こんな便利な社員、企業が見逃すわけがありません。そんな社員ばかり採用して、今や日本の企業は、ブラック企業の集まりとなり果てました。当然のごとく、想像力のない開発力のない、終末に向かう企業になってきています。軍隊的絶対服従の社員に想像力まで求めるのは無理ですからね。

こうして、暴力指導の絶対服従の文化が、スポーツ界だけでなく、社会全般に拡散しているのです。根は深いです。

http://www.itmedia.co.jp/business/spv/1809/11/news042.html