iwapenの日記

60歳にして考古学を学びに大学に入りました。また、社会や政治についても思いの丈を発信してます。

コロナ対策はの基本は検査拡大しかない

コロナ感染が全世界を席巻する中、どの国がうまく対応できて、どの国が失敗しているのか、これは興味本位ではなく、コロナの感染爆発が、まだまだ第2波、第3波と来ると考えると(実際SARSは第5波が最大)、出来るだけ今回の感染爆発から教訓を引き出さなければならない。

 

まず、日本は明らかに失格。検査数が絶対数も人口比も国際的な規模から10分の1から50分の1と掛け離れ、データーとして使い物にならない。

そして、クラスター潰しだけに拘泥し市中感染を爆発させ大失敗を見せており、国際社会は、何一つ日本を参考にはしないだろう。ただ、反面教師として、やってはいけない「対策」の典型例として、今後、感染学の教科書に載るだろう。

 

失敗の2例目は、イギリスである。当初、国民で集団抗体を作れば良いと、日本の橋下のようなことをジョンソンが言い、ほとんど無為無策に始まった。しかし、と言いつつも、日本ほど検査を抑制しなかった為に、他国に比べて特別感染爆発が目立つということもない。ただ、対策の遅れで、致死率は高い。今回、さらに30万人の検査拡大を表明し、後追いながらも政府としての責任を果たそうとしている。

 

3例目は、イタリアだ。ここは、数値的にも明らかに大きな感染爆発を招いてしまった。その原因は、本記事にもあるように検査の遅れだ。そして、日本よりマシだが、医療費の削減で、感染病床がEUの中で大幅に少なくなっていたことが災いした。ただし、日本よりマシとしたのは、日本は感染病床をこのイタリアの半数にまで削減してしまったからだ。日本は、この20年間で10万ほどあった病床を1万ほどに激減させてきたので、検査を絞って感染者数が1桁違いに少ないのに、既に今や医療崩壊状態である。日本は、今後も最悪のシナリオを考えないとダメだろう。国際救援を依頼する日が来るはずだ。

 

反対に、現時点で、国際的にも評価が定まっているのが、本記事にもあるように、韓国とドイツ。感染爆発が起こる前に、世界に先駆けて大量検査をやり、致死率の大幅な抑えという成果になっている。加えて、記事には無いが、ドイツはホームドクター制度が大きな力になったことも参考にされるべきだ。

 

以上のように、未だに検査拡大に懐疑的な日本は肝に銘じるべきだろう。感染症との闘いの決め手は、今回のコロナに限らず検査しかないのだ。

「知りたいのは、なぜある国が他の国よりうまく対処しているかもしれず、そこから何を学べるかだ」と、英オックスフォード大学のジェイソン・オーク教授は話す。
それは、「これまでのところ、検査がもっともわかりやすい手本と思われる」

 

さらに言えば、大量の検査の上に合理的な隔離政策が功を奏するのである。検査拡大と切り離して、隔離だけやろうとしても不可能である(日本の自粛要請がそれ)。それは、スコープもつけずに数百m先の的を銃で撃つようなものだからだ。

 

そして、感染対策は、国民と政府の信頼関係が不可欠。政府が責任ある科学的根拠に基づく政策を打ち出さないと国民は納得できない。痛みを伴う隔離・経済活動の自粛となれば尚のことだ。その時、政府にできる事は、人口比に応じた膨大な検査数(日本なら130万人は必要.現在14万人)拡大で感染実態を科学的に把握すること、そして迅速な検査で国民を重体化させず早期治療で殺さないことだ。


日本は、大失敗をしてしまった。
昨日、専門家会議がようやく検査拡大を言い出したので、今後の大幅な検査拡大に期待したい。

 

https://www.bbc.com/japanese/amp/features-and-analysis-52394515